暗いところで待ち合わせ

暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)

暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)

あらすじ
盲目の一人暮らしの女性の家に、一人の男が逃げ込んだ。男は女性に気づかれまいと、隅っこでじっとしている。女性は何かおかしいことに気づくのだが、騒いだら逆に怖いと思って気づかない振りをする。2人は奇妙な共同生活が始める…。
とまあ、これを読んだだけでわくわくするではないですか。こんな奇天烈なプロットを考えつくなんてすごい。言葉を交わさない2人の生活が次第に近づいていくさまがすごく面白い。ラストにかけて、現実の事件に対応しなければならなくなるあたりが、かえって非現実的で、二人の世界を破壊してしまっているのが残念だが、これはこうなるしかないのだろう。それでも最後は二人の世界に戻り、素敵な結末にいつまでも余韻が残る。この作者の本を片っ端から読みたくなった。