海辺のカフカ(上)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

同時並行して起こっている二つの物語が、奇数章と偶数章で交互に語られる。
奇数章では、ませた15歳の少年田村カフカが、家を出て高松の図書館で暮らすことになる物語。少年が行く先々で出会う人々に、そのときにふさわしい助言や経験を得ていく様子が描かれる。
偶数章では、9歳の時の奇妙な経験によって頭が悪くなってしまった老人の奇妙な体験。こちらは奇数章と対照的に、SF的な不可解な事件が立て続けに起こる。しかし何の説明も与えられない。二つの物語はほとんど関係ないながらも、微妙に絡み合い、いよいよ交差しそうになるところで上巻は終わる。
正直どう読んでいいか分からなかったが、続きが気になって、ページをめくる手が止まらない不思議な本だ。