世界は密室でできている。

世界は密室でできている。 (講談社文庫)

世界は密室でできている。 (講談社文庫)

一言で言うと、「煙か土か食い物」をスケールダウンしたような感じ。主人公のめちゃくちゃさも、推理のあほらしさも、バイオレンスも「煙〜」に比べるとだいぶ弱い。今回の主人公は、僕こと西村友紀夫で、探偵役はルンババ12が務める。ストーリー的には「煙」とつながっていないので、どっちを先に読んでもよい。推理がどうでもよいのは今回もおんなじで、主人公の若かりしころの体験記といった感じ。これはつまり青春小説だったのだ。舞城ワールドにどっぷりつかりたい人にはお勧めだが、「煙」を読んでもう十分と感じた人は、他の本に手を出したほうがいいでしょう。