2005-08-06 マルドゥック・スクランブル 排気 SF マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/07メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 69回この商品を含むブログ (284件) を見るすっごいものをよんだ。というのが第一印象。特にカジノシーンで目的を達したところでは、自然に涙が出てきた。生でも死でも、愛でも友情でもなく、涙を流せるなんて思わなかった。不遇な少女と、それをサポートする万能マスコットというありがちなテーマと、ありがちSFの小道具がちりばめられているが、この小説の本質はそこではない。バイオレンスとかっこよさと自分探しをミックスさせた、エンターテインメントなのだ。プロットにもそれが現れていて、ストーリー性にあまり必然性のないカジノシーンに物語の3分の1も割いているところだ。ところが、そのカジノシーンがすっばらしい。ここだけでも読む価値がある。