銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)

自分は小説家になろうとは思っていないが、これほど嫉妬した作品はない。これぞ私の読みたかった本ではないか。なぜこれほどの大傑作バカSFを今まで読んでいなかったのだろう。一見イギリス風のバカっぽいギャグに、SF的な蘊蓄をつけて納得させてしまう手腕は天才的だ。ストーリー自体がばかばかしい上に、登場人物全てがばかばかしい。でもそこにはきちんと人生に対する洞察が含まれている。このイギリス的なユーモア感覚と、SFの壮大な設定が見事にはまっている。