16品の殺人メニュー

16品の殺人メニュー (新潮文庫)

16品の殺人メニュー (新潮文庫)

ネロ・ウルフシリーズの短編「ポイズン・ア・ラ・カルト」を読むために図書館で借りた。ウルフが蘭の愛好家ヒュウイットから、彼の所属している美食クラブのシェフにフリッツを招きたいと頼まれる。ゲストには一人ずつ、専用の女性の給仕がつくという趣向があった。フリッツがキッチンで腕を振るっている間、ゲストの一人が砒素中毒で倒れてしまう。ウルフはフリッツの料理で人が死んだことに負い目を感じ、なんとしても犯人を見つけようとする。その場で、12人の給仕を集め、誰が彼に皿を持っていったか問いつめるが、彼の係りの女性はもうそこに皿があったから、ウルフに皿を出したという。ウルフの係りはさらに別の人に、その人の係りはさらに別の人へ出したと、このあたりの追求がばかばかしくて面白い。結局ウルフは何の手がかりも得られないまま、犯人に罠を仕掛けることにする。
ウルフシリーズとしてははっきり言って駄作に近い。なんせウルフの推理が全く役に立たなかったのだから。ミステリの文法ですらなかった。
他にはルース・レンデルの「茸のシチュー事件」が面白かった。
収録作品(読んだ話には○)

  • チキン・スープ・キッド(R.L.スティーヴンス)○
  • 茸のシチュー事件(ルース・レンデル)○
  • 毒薬ア・ラ・カルト(レックス・スタウト)○
  • 凶悪な庭(キャロル・カイル)○
  • 特別料理(スタンリー・エリン)○(これは怖い)
  • おとなしい凶器(ロアルド・ダール)○
  • 追われずとも(アイザック・アシモフ)
  • 二本の調味料壜(ダンセイニ卿)
  • 使用済みティーバッグ窃盗事件(エドワード・D.ホック)
  • 亡命者たち(T.S.ストリブリング)
  • 幸せな結婚へのレシピ(ネドラー・タイアー)
  • 死の卵(ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリング)
  • ノルウェイ林檎の謎(ジェイムズ・ホールディング)
  • ギデオンと焼栗売り(J.J.マリック)
  • いつもの苦役(ビル・プロンジーニ)
  • ドッグズボディ(フランシス・M.Jr.ネヴィンズ)