墨攻

墨攻 (新潮文庫)

短い。せっかく面白いのに、もうちょっと長くてもいいのに。デビュー作の後宮小説と同じく、作者の解説と物語が交互に記述されていくが、デビュー作に比べて硬さがなくなったというか、語り口がより自然に、滑らかになった。後宮小説は作者のでっちあげだったので、墨子の存在もそうなのだろうと思ったが、解説を読んでやっとそれが歴史上の事実だとわかった。作者も人が悪い。