マークスの山(下)
- 作者: 高村薫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/01/25
- メディア: 文庫
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それにしても、これほどまでに自分のプライド、情熱、意地をかけて捜査をする合田には恐れ入る。本人には義務感や使命感といったものはなく、あるのはただの正義感と職務上の責任感である。他の人物も立場は違えど同様である。作者はどうしてこれほどの人物を描けるのだろうか。私は合田と一つしか違わないが、適当に仕事をして、遊んでいる自分の重ね合わせると、合田の行動と、作者の描写力、人物造形にはただただ敬服するしかない。
繰り返すが、読みにくいので万人向けではない。読む対象をよく選ぶ作品といえる。